西日本新聞を読んでいて気になる記事をみつけました。
「10歳の似顔絵 モンドな人気」という記事。
その写真に映っている笑顔の男の子が手に持っている似顔絵。
思わず「え、この子が描いたの?」と声に出してしまうほど
その絵のセンスに魅了されてしまいました。
モンドくんについて気になったので調べてみました。
新聞の写真がコチラ
デビッド・ボウイの似顔絵(右)と自画像(左)を描いたものです。
デビッド・ボウイとはイギリスを代表するミュージシャンで
イギリスではビートルズやローリング・ストーンズ、クイーンらと並んで
20世紀のイギリスを代表するロックスターの一人です。
おそらく、この写真を見ながら描いたのだと思われますが、
この独特な表現の仕方がとても魅力的です。
モンドくんとは、いったいどんな子なのでしょう?
モンドくんの本名と小学校について
モンドくんは、福岡県福岡市にある笹丘小学校に通っている小学5年生です。
本名を奥村門土(おくむらもんど)君というそうで、
似顔絵の活動は「モンドくん」という名前でしているそうですが、
本名でもモンドくんなのですね。
「モンド」というのはイタリア語で「世界」という意味だそうで
モンドくんの夢は「似顔絵を描きながら世界中に行く」ことだそうです。
名前に恥じない大きな夢ですね。
ちょうどテレビにモンドくんが取り上げられているときも見たのですが、
そのとき「どんな絵描きさんになりたい?」と聞かれて
「いっきゅうけんちくし!」と答えていました。
なんで?と驚きましたが、
その答えは「なんとなく家を描きたいから」ということ。
今後は似顔絵だけでなく、幅広くモンドくんの世界観が見られそうです。
その人気はじわじわと広まっていて、
インターネットでは海外からも絵の注文が届くほどの人気だそうで
今後の成長が楽しみな男の子です。
モンドくんの絵の魅力
パッと人の目を惹きつけるモンドくんの絵の魅力ですが
「しわやシミまで克明に描く容赦無い画風」です。
2013年6月から9ヶ月間、雑誌「NO!!」で似顔絵講座を連載したり、
介護施設雑誌「ヨレヨレ」では宮﨑駿監督の似顔絵で表紙を飾ったり、
小学校5年生とは思えない活躍ぶりです。
そのヨレヨレという雑誌は、
表紙と中の挿絵もモンドくんが担当しており
地方誌でありながら創刊号は3000部近い売上を上げたのだとか。
NO!!の代表者である松本さんは、
「大人のようにうまく描こうとせず、ありのままを描くからインパクトがある。
こびないところがいい」とモンドくんの絵を評価していました。
私も絵を描きますが、
似顔絵を描くときにはなるべく鼻下の線や唇のしわなどは描かず
陰影だけでなんとかしようと考えます。
自分では絵で表現するのが苦手な部分でもあります。
人それぞれの描き方があるので
鼻下の線がいい悪いというわけではないのですが、
モンドくんの描くそのしわやシミは、
嫌らしさがないというか、自然と受け入れられるのです。
また、サインペンだけで
かなり目力があり、今にも喋り出しそうな生きた絵になるのも素晴らしいと思いました。
似顔絵を描きはじめたきっかけ
モンドくんの絵との出会いは何だろうと思ったのですが
きっかけはお父さんだったようです。
父親のボギーさんはミュージシャンとして活動していて
その傍ら絵を描いていたそうですが
モンドくんはその画材を使って3歳の頃から絵を描きはじめたそうです。
あるときモンドくんが描いた一枚の絵。
それは、葬儀から帰宅して疲れきったご両親の様子でした。
その絵を見たボギーさんは、この子には才能があると気づいたそう。
その細かい指先のしわや、疲れきった表情は
とても幼い子どもが描くような絵とは思えませんでした。
そして、ボギーさんはモンドくんに課題を与えるようになります。
それは、有名人の似顔絵を1日1枚描くということ。
昨年4月から始め、それをネット上で公開し始めたことで話題を呼び
今年3月には画集を出版し、
福岡に限らず、東京や大阪でも似顔絵実演ツアーなどをするまでになりました。
父親ボギーさんや家族の存在
モンドくんが絵を描くとき、ひとつルールがあります。
それは、出来上がるまで誰にも見せないということ。
出来上がりを見たときの家族の驚く顔が見たいので
描いている途中は絶対に見せないのだそうです。
可愛らしいですね。
絵は本当に独学というか、見たままを描いているようで、
家族は口出しをしないのだそう。
ボギーさんは
「絵は教えてもらったらダメだと思うので、アドバイスはできるがそれは極力しない」
と言っていました。
ボギーさんや家族が見守ってくれているから
楽しみにしてくれているから、
モンドくんは毎日好きな絵を描き続けられるのでしょうね。
モンドくんのブログに、似顔絵ツアーの日の出来事が書いてありました。
息子がこんな状況になってしまったら、普通の親ならきっと戸惑うだろう、そして心配したり、浮かれたりしてしまうだろう。でも俺は20年も“売れない”ミュージシャンをやっている。おかげでいろんな世界のことも多少は知ってる。
モンドがこれからも絵を描き続けるのか、それとも止めるのか。
モノになっていくのか、それともならないのかは分からないけど、俺はモンドの父として、道だけは踏み外さないように、しっかり見守ってやるのが役目だと思っている。なんてことを思いながら、18時。モンドの似顔絵屋さんは終了した。なんと今日は21人も描いた!!すごい集中力だ。しかも昨日よりもまだまだモンドには余力がありそう。人とのコミュニケーションも上手になってきてる。きっといろいろ自分なりに掴んできてるのだと思う。実戦で学ぶのがいちばんなのだ。
ボギーさんのモンドくんに対する愛情が伝わってくるブログでした。
言葉で伝えなくても、父親の背中を見ながらモンドくんは日に日に成長しているんですね。
5月13日(火)~6月8日(日)まで
ブックス キューブリック箱崎店(福岡市東区箱崎)にてモンドくんの似顔絵展が開催されるようです。
ぜひ、観に行きたいと思いました。