10月から始まる朝ドラ「べっぴんさん」で
主人公の幼馴染である紀夫の父親役を
俳優の堀内正美さんが演じます。
今回は貴族院議員という役柄。
堀内さんは威厳ある風貌から
どんなドラマや映画でも
位の高い役柄が多い気がしますね。
今回は、そんな堀内正美さんが
演じる田中五郎の実在モデル、
坂野兼通についてご紹介します。
田中五郎の実在モデルについて
すみれの幼馴染・田中紀夫は
後にすみれと結婚して坂東家に婿入りします。
その紀夫の実在モデルが
坂野通夫(ばんのみちお)。
ファミリアを創業したすみれの
実在モデルである坂野惇子を支え
ファミリアの社長に就任しています。
この坂野通夫の父親が
坂野兼通(ばんのかねみち)です。
坂野兼通は1864年に尾張藩で
士族の子として生まれました。
この頃の将軍は14代徳川家茂。
高杉晋作や勝海舟など
幕末の歴史が好きな方は
ピンとくるかもしれません。
1864年といえば池田屋事件があった年、
ちょうど新撰組の時代ですね。
懐かしいな〜
私は学生時代に新撰組漫画
「ピースメーカー」を読んで
歴史が好きになりました。
って脱線してすみませんw
坂野兼通の話に戻ると、
士族として育っていますから
性格はとても厳しかったそうです。
でも息子の通夫は
兼通が54歳のときに授かった
子供だったので、わりと甘やかして
育てたという記録もあるよう。
この辺りの親子関係が
「べっぴんさん」でどのように
なっているのか楽しみですね!
幼い頃から頭が良かった兼通は
東京高等商業学校に入学します。
これは後の一橋大学です。
そして卒業後は三菱合資銀行部
(後の三菱銀行)に就職。
ここで大阪支店長を務めるなど
着実にキャリアを積んでいきました。
ここまでの経歴だけでも、
兼通はかなり頭の切れる人物だった
ということがわかりますね。
この頃の経験と実績が買われ、
兼通は大阪の山口財閥が運営する
山口銀行(後の三和銀行)へ移ります。
これは現在の三菱東京UFJ銀行の
前身の一つにあたります。
そこで兼通は総理事まで出世し、
10数社の役員を兼務するなどしました。
兼通はこの頃の日本の銀行経営に
深く関わった人物であり、
財界の重鎮の一人として
名前を残している人物なのです。
べっぴんさんでは経歴が違う?
さて、こんな兼通が
「べっぴんさん」では紀夫の父親
田中五郎として登場しているのですが、
あれあれ?おかしなことに
田中五郎は貴族院議員となっています。
家系図で見ると坂野通夫の父親は
坂野兼通で間違いありませんが、
兼通の生涯に貴族院議員と関係する
実績はないようです。
ドラマでは田中家と坂東家は
近所同士という設定。
そのため親子共々
幼い頃から関わりがありますね。
しかし史実では坂野通夫(田中紀夫)が
坂野惇子(坂東すみれ)と出会ったのは
坂野兼通の死後です。
つまり、幼馴染ではないのです。
そのため堀内正美さんが演じる
田中五郎という役柄は、
ドラマではオリジナルの設定で
登場しているのでしょう。
財界の重鎮として名を馳せた
坂野兼通がなぜ政界の重鎮に?
と思われますが、これはもしかしたら
生瀬勝久さんが演じるすみれの父親
坂東五十八の実在モデルと
リンクさせてあるのかもしれません。
坂東五十八の実在モデルの
名前は佐々木八十八(やそはち)。
八十八は自身が創業した
「佐々木営業部」を軌道に乗せた後、
政界に進出し貴族院議員を務めたそうです。
「べっぴんさん」ではこのあたりを
うまく組み合わせて、田中五郎という
オリジナルのキャラクターを
生み出しているのではないでしょうか。
こうやって過去を辿るのも
朝ドラの楽しみの一つですね♪
また、堀内正美さんの演技にも
注目していきたいと思います♪
堀内正美さんのお堅いイメージが崩れる
プライベートが知りたい方は、
覚悟してwこちらの記事もご覧ください。